真田広之 太平記鑑賞メモ(初めて大河ドラマを見る!)

太平記鑑賞メモ+ストーリー整理。ほぼ自分用。日本史知識0なので間違った事も書いてると思いますがご容赦下さい。

8話「妖霊星」

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高氏さんこれからの日本の為に政略結婚として北条家の姫君をめとり、自分の子ができた藤夜叉も迎え入れる決意をするとは甲斐性ありすぎですね。しかも藤夜叉には手をついて頼んでみるとまで言っています。愛されとるな~ええなぁ。

あと、婚礼の儀のあと酔っ払いの直義と蹴鞠をするくだりはちょっと面白かった。直義はお兄ちゃんに振り回されっぱなしやね。登子にはつっかかるし、本当に仲のよい兄弟で。

さてさて本編は大きく動きだしてきましたね。北条家も高時と長崎で割れてしまい、鎌倉幕府崩壊が始まったという感じです。父ちゃんの容態も心配だ。

登場人物整理

足利高氏

登子と結婚。

足利貞氏

婚礼の儀も無事おわったところで倒れる。

一色右馬之助

貞氏の命により藤夜叉を追い伊賀へ。

赤橋守時

登子と高氏が無事夫婦となり喜ばしい。

赤橋登子

ついに高氏の嫁に。初夜夫は蹴鞠を始めビックリ。

北条高時(執権)

長崎の事をよく思っていない。暗殺計画を企てる。

佐々木道誉(判官)

ほんといっつもいらん事言い。

足利直義

お兄ちゃ~~~~ん。

藤夜叉

高氏への想いを断ち切る為、約束を破り鎌倉を後にする。

藤夜叉を船で伊賀へ送る。高氏への恨みも相まって長崎暗殺に加わる。

吉次

木斎が河内からつれてきた矛の名手。長崎暗殺を実行する。

ストーリー整理

長崎親子に権力が集中し、3代将軍後100年も続いた北条家の政権の土台が揺らいでいる。御家人たちの不満も爆発寸前。赤橋をはじめとした反長崎勢力も結集されはじめた。また、長崎をよく思っていない北条高時もまた長崎暗殺を目論んでいた。

高氏は、夜に馬を走らせる。藤夜叉との約束の場所へいくためだ。後ろから右馬介の気配を感じ振り向くとばつの悪そうな彼がいた。右馬介は高氏にどうするのかと尋ねる。高氏は、ともに京へは行けぬ事、登子を嫁にとること、そして藤夜叉と子を側室に迎える事を伝えると言う。手をついてでも頼むつもりだと続ける。走り去ろうとする高氏を右馬介は引き留める。みはりをつけていたが、藤夜叉はもう鎌倉を出たと言う。高氏は馬で走り約束の場所へ行くが彼女の姿は見当たらなかった。高氏は右馬介に藤夜叉の後を追うようにと命じる。

石は藤夜叉を乗せて船を漕いでいる。石は藤夜叉に覚悟を問う。船の向かう先は伊賀だ。

足利屋敷では貞氏が藤夜叉の居場所を確かめている。伊賀には楠木正成も出没している、それも気になるのでと右馬介を伊賀へやる。高氏にはまだこの動きのことは言わぬようだ。

それから一月後、高氏と登子の婚礼の儀が盛大に執り行われた。赤橋家の庭かまどの火が足利家にうつされ、そして儀式の3日の間灯され続けた。婚礼の儀が終わり、高氏は登子に問う。高氏が登子の兄守時と戦う日が来たときお前はどうするか。何が起こっても高氏の一生が自身の一生となることのみと答えるが、辛いともらす。

高氏は蹴鞠は好きかと尋ね、鞠の精霊の話をする。急に直義を呼び出し、庭で蹴鞠をはじめる。酔っ払いの直義も、家族もみな何事かと飛び出してくる。登子に突っかかる直義。それを遮り、足利の蹴鞠をみせるぞと高氏。蹴鞠をする兄弟を横目に母は登子に高氏をよろしくと伝える。その様子を父貞氏もほほえましく眺めているが様子がおかしい。そのまま倒れてしまった。

翌日、日野は無罪放免となり牢から出た。資朝が罪をかぶり佐渡島流しにあったためだ。

石は一座の元へ戻った。木斎に話かけられる。木斎は河内へいって矛名手吉次をつれてきたといい、石へ紹介する。石が花夜叉のところへ一座を離れていた事を謝罪に向かうとそこには日野がいた。花夜叉は石に藤夜叉をどこに連れていったと尋ねる。石は伊賀へ連れていったと報告する。日野は京へ戻るそうだ。花夜叉は日野ににおひ袋を渡し、馬の用意をと出て行った。石は日野に楠木に会った旨と言付かった事を伝え、いい世になかにするために何か力になりたいと続けた。日野は京の屋敷へ入る事ができる書付を石へ与える。

日野を見送ると吉次が声をかける。正季から石が手足となると聞いているが本当かと尋ねる。明後日の長崎暗殺を手伝えと言う。その日は北条家の集まりがあり足利高氏が主賓だそうだ。それを聞き石は怒りに震えるのであった。

幕府柳営内・華雲殿では北条一族が集まり、高氏と登子の披露の為の宴が催されている。婚礼儀式の総仕上げである北条一族と諸大名への顔見せだ。舞台では獅子舞が舞い、高氏のまわりには連署や時守が盃をと集まってくる。後ろで判官が藤夜叉の事であろう意味深な発言をしてくる。高時もなんの事だと口を挟む。異変に気付いた登子は帰りたいと告げる。二人が立ち上がると高時はどこへ行くと声をかけ、閨急ぎかとからかう。

灯りが消され舞台では新たな催しが始まる。二人は再度席に戻る。舞台袖では何やら怪しい動きがある。長崎がいないと慌てている。長崎が現れ、高時の横につく。長崎は自身を殺そうとするものがいる、その指示をしたのは高時と聞いたと言う。高時は笑っているが顔が引きつっている。すべての灯りが消え音楽が止まり、悲鳴があがる。長崎がと声があがるが、違うようだ。連署は安心したが、高時はうろたえている。その先に長崎がいる。高時は私は知らぬと言い、くせものがいると乱心する。判官は北条は割れたと高氏に言い屋敷を去った。高時は幻覚の中に倒れる。混乱の中高氏と登子も屋敷を出る。世の中が乱れるときに瞬く妖霊星の歌を高氏と登子は聞いた。

7話「悲恋」

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このタイトルね、誰の悲恋だろうって考えちゃうよね。藤夜叉の高氏との身分の違いの悲恋?石の藤夜叉への叶わぬ思いの悲恋?高氏の自分の置かれた身として藤夜叉を選びきれない事への悲恋?それとも何も知らぬ登子?登子は結構ちゃんと色々考えてそうだし、この裏で起こってる事は知らないし今は悲恋と呼べないか。

前回の若草色の着物(直垂っていうの?)も良いけど個人的に真田さんには青が似合うな。それにしても、白馬で現れて藤夜叉を抱きかかえ駆け出すシーンは何回みてもいいですね。おもわず、こ~のま~まきみ~だけ~をう~ばい~さりたい~って歌ってしまいそうになりました。(ちょっと世代ではないですけど)藤夜叉もそのまま逃げましょうなんて純粋すぎて胸が痛むわ。世の中の仕組みあまりわかってないよね、まだまだ幼い女の子だもんね。

相変わらず直義はお兄ちゃん好きすぎで可愛いですね。

人物整理

足利高氏

足利一門の為、何が最良か常に考えている。

足利貞氏

藤夜叉への思い、足利家の存続、世を正すことに揺れる。

一色右馬之助

にんにんにん!

長崎円喜内管領

また何やら企てをしている。足利屋敷を訪問する。

新田義貞

北条家加勢に乗じて、反乱をと考えている。

赤橋守時

世を正す為足利と組みたい。登子を足利家へ嫁にやる。

赤橋登子

覚悟を決め、来月足利家へ嫁ぐ事に。

足利直義

お兄ちゃ~~~~ん。

藤夜叉

高氏への思いが募るばかり。二人で京へ戻りたい。

藤夜叉の高氏への思いをなんとか諦めさせたい。

ストーリー整理

1325年(正中2年)1月鎌倉。幕府が介入するも安藤季長軍との戦いは一向に収まらず。町では、安藤軍は蝦夷を味方につけて2万に膨れ上がっているとも噂される。

石が鎌倉に戻ってきた。一座に呼び止められる。石は藤夜叉は元気にしているかと尋ねる。大男と小男は、言いにくそうに藤夜叉に子ができたと伝える。相手はわからぬと言われ石は困惑している。

鎌倉・足利屋敷は何やら慌ただしいが、高氏は大事の字で寝そべりながら物思いにふけっている。藤夜叉の事だ。右馬介がドタバタとやってくる。長崎が足利屋敷へ来ると言っており一族総出で出迎えよとの事。貞氏はそれを受けたそうだ。それはそうと、藤夜叉の事は貞氏に言ったのかと尋ねる。貞氏以外には伝えていない、その対処は任せると言われたと右馬介は答える。右馬介は、白拍子の君の所在もわかっている、京の事はすぎた事、これからの事のお覚悟をと続ける。

直義は長崎がきたら切ってやると一人意気込んでいる。不満を並べる直義を背にし、高氏は、足利と北条を模すような蜘蛛の巣を取り払い部屋から出て行った。まだ直義はぶつくさと文句を言っている。

その日、長崎が単身足利屋敷へやってきた。異例の訪問だ。要件は、高氏と登子の縁談の話との事だ。長崎は、異存はないかと貞氏に尋ねる。身に余る幸せと執権に伝えて欲しいと貞氏は答える。高氏は何か言いたげだが堪えている。

しかし、本題はこれではなかった。奥州の安藤勢鎮圧の為6千名兵を出してはくれぬかと長崎は言う。ほかの御家人へも協力を要請している、この度の縁談となれば足利は北条家も同然、早くに対応して頂きたいと続ける。貞氏は、少しばかり時間がかかるとはぐらかす。長崎は縁談はめでたしと再度伝え、屋敷を後にした。

貞氏は先ほどの話は長崎の尻ぬぐいの事だと高氏に言う。高氏はなぜ断らぬと口をはさむが、北条の身内と言われれば断れまいと貞氏は答える。されば、縁談は無しにしましょうと高氏は言うが、それはできないと貞氏は答える。高氏は何ゆえかと声をはりあげるが、貞氏は部屋を出ていってしまった。

佐々木道誉の鎌倉屋敷にて藤夜叉は文を書いている。石が見回りをかいくぐり屋敷へ忍び込んできた。足利との子ができた事を知っていると伝える。石にとっては足利は親の仇だ、どういうつもりだと藤夜叉に問う。石の嫌いな人を好きになってしまってごめんねと文を書いたのだと謝る。高氏はもうすぐ赤橋家の姫君を嫁にとるのだと石は藤夜叉へ教え、高氏の事はよせと言う。楠木正季に北条を潰す企てに誘ってもらったと続けるが、放心している藤夜叉に石の声は届かない。

我に返った藤夜叉は幼き頃に考えていた思いを告げ、石にここから連れ出してと伝える。石と藤夜叉は屋敷を出ようとするが、見張りの者に見つかってしまう。そこに黒装束の忍びが現れた。はよう逃げよと言われ塀を超える。塀の外にも見張りがいるが、忍びに促され藤夜叉は走る。その先に馬に乗る高氏が居た。高氏は一瞬戸惑うが、藤夜叉を抱きかかえ駆け出した。藤夜叉はこのまま京へ帰りたいと心で唱える。

馬を下り二人は並んで座っている。高氏は藤夜叉に子がいるのは真かと尋ねる。藤夜叉は静かにうなずく。高氏は、藤夜叉を足利家へ引き取るつもりでいた続ける。ではどうして登子を嫁にとるのかと藤夜叉は問う。嫁をとって欲しくない、哀れみで傍においてほしくない、京へ一緒に戻りましょうと思いを伝える。高氏は藤夜叉を抱きしめ、京への思いは同じ、明日の夜もう一度会おうと告げる。石が現れるが、明日ここへとだけ伝え高氏は馬に乗り去る。

高氏は屋敷へ戻る。入口で新田義貞と会う。奥州の戦いに参戦するとの事だ。屋敷へ入り高氏は貞氏に新田は何の用できたのか尋ねる。新田と安藤は繋がりがある、北条に加わる理由として別の考えがあるのではと続ける。新田は何も言わなかったが、おそらくその企てだろうと貞氏は言う。

高氏は父の思いを知りたいと、真意を知りたいと、その思いなしに登子をめとる事はできぬと詰め寄る。返答次第では覚悟があると言う。貞氏は、覚悟とはなにかと聞く。北条と戦する覚悟、赤橋登子を嫁にとる覚悟、白拍子と駆け落ちする覚悟、どの覚悟かと語気を強める。

自身も覚悟の上今まで過ごしてきた。私が戦をと言えば何千何万の人々が動く事になる。そしてその者たちが死に絶えるかもしれん。登子との縁談でそれが避けれるのならば、姫君は救いの神だ。やってみる値打ちはあるだろうと貞氏は言う。我々は足利の統領として生をうけたそして逃げることはできぬと言い、計略図を破り捨てた。

幕府では連署と守時が長崎へ、援軍の策は愚策だと進言している。長崎は致し方ないと軍勢催促の儀はなしにすると言う。

赤橋守時亭にて、守時は長い間考えこんでいる。守時は登子へ日取りが決まったと言う。辛いこともあるやもしれんよいかと続ける。登子は覚悟の上だと気丈に答える。

約束の夜、高氏は馬を走らせた。

6話「楠木登場」

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楠木正成金八先生にしか見えん。(金八先生見たことないけど)村人の混乱を鎮め、日野に生き方を教え、不作にもかかわらず石へは米をやり、懐の広い男です。戦は戦しか呼ばない、それで飢えがなくなるわけではない。いつの時代も本当にこれに尽きますね。それなのになぜ歴史は繰り返すのか。懐の広いと言えば、守時も思慮深いお方でしたね。佐々木判官は真逆ですが。

今回高氏は若草色のお着物がよろしいな。清子はあんまりだと言っていたけども、流鏑馬のシーンでも若草色の着物をきてたし高氏のお気に入りですか?しかし、全速力の馬にまたがりながら弓を射るって本当にすごいね。榎木孝明さんがインタビューでもおっしゃっていましたが、真田さんは馬乗りの名手ですね。

人物整理

足利高氏

登子は気になる存在だが、足利家の今後が一番の関心事。流鏑馬が得意。藤夜叉に会いたい。

足利貞氏

高氏を認めている。

一色右馬之助

一難去ってまた一難。一生難な人生か。にんにんにん!

赤橋守時

貞氏に妹を嫁にと伝える。

赤橋登子

古今六帖では高氏と同じ意見で嬉しい。近々高氏と結婚か。

佐々木道誉(判官)

何かと波乱を巻き起こしたい。いっちょかみ男。

楠木正成

金剛山麓に屋敷をかまえる河内の豪族。思慮深い男。金八先生

楠木正季(龍泉)

正成の弟。兄とは違い血気盛んな戦好きの男。

北条高時

判官がお気に入り。

足利直義

お兄ちゃ~~~~ん。

藤夜叉

高氏に会いたい。

日野の命で正成に会う。

ストーリー整理

高氏が解放され3日たった。母親は嬉しそうに高氏の召し物を整えている。これから高氏は父貞氏とともに守時の所へ行くようだ。高氏も何だかそわそわしている。弟直義はなぜ親子そろって北条家の身内である赤崎家へ参るのかと騒ぎ立てている。

赤橋亭へ向かう途中、貞氏はどのように挨拶するかと尋ねる。高氏は、我々は言われもなき罪で捕らえられた由、先方が北条の非を詫びてからこちらが挨拶するのが筋ではないかと答える。それでよいと貞氏は同意する。

赤橋亭へ到着した。守時は、部屋に入ってくるやいなやこの一件の成り行きを丁寧に謝罪する。貞氏と高氏もこの対応に驚き、すぐさま礼を伝える。登子が入ってきて皆で談笑をする。

中庭にて、守時は貞氏に連署からお伝えした登子との事を再度考えては頂けぬかと話している。守時は、幕府も北条も腐り始めている、足利家と赤橋家が協力し幕府を正したいと続ける。

屋敷では高氏と登子が話ている。高氏は登子に牢にいるおりお心遣いを頂きうれしかったと伝える。古今六帖の春の田「を」か「の」の事で和やかに会話をする。二人の意見は一致したようだ。

佐々木道誉の鎌倉屋敷にて、道誉は花夜叉より藤夜叉のおなかの子の事を聞き知る。執権からは、高氏は赤橋登子を嫁にとるとも聞いているし、とにかく面倒事と争い事が嫌いな執権は帝の謀反も問わず、日野資朝か俊基の首をはねて事を収束させるつもりだと聞き及んでいるとも言う。面白くなってきたなという顔だ。

道誉は舞が終わった藤夜叉を呼び、腹の子は足利の子かと聞く。足利はその事を知らぬのだなと続ける。藤夜叉はうなずく。それは可哀そうにと、判官が足利に会わせてやろうかと言う。藤夜叉はまたうなずく。藤夜叉は本日より道誉の屋敷で過ごすことになった。道誉は急に立ち上がり、床に刀を突きさす。床下に何者かが潜んでいた。花夜叉は人形遣いの木斎を呼ぶ。河内の楠木正成日野資朝か俊基近々斬首と伝えて欲しいと言う。

河内の国 水分(みくまり)をふらふらと彷徨う石がいる。畑を見つけ一心不乱に大根をくらう。何日も飯にありつけなかったようだ。そこへ一人の男と家族が近寄る。石は畑の持ち主だと気づき、身の上話をし謝罪をする。京で公家より河内の楠木正成に会うように仰せつかったと続ける。男は怒るでもなく優しく、その大根はまずかろう、雨が降らないから不作なのだと言う。そして立ち上がり、豊作だった栗の木に挨拶に行ってしまった。

お方様!と向こうから村の女が息を切らしながら走ってきた。麓でなにやら問題が起こっているようだ。男の奥方らしき女は、石に楠木亭へ案内するのでついてきなさいと言う。

村では楠木正季が馬に乗り騒いでいる。女は明日は雨乞いの日なのにどこへ行く、馬からおりなさいと言う。正季は頭が上がらぬ様子だが、作物は金で買えばいいし、市場を荒らす北条をほっとけないと憤る。女は久子と言う。先ほどの男は正成であった。正成は、雨が降らぬと困惑する村人を鎮める。

正成は、石に誰から私に会えと言われたかと聞く。日野俊基だと答える。正成は石と正季を屋敷に連れ入る。石は預かった小太刀を差し出し、日野は六波羅に捕らえられ鎌倉へ連れていかれた事も伝える。正季は怒っている。なんでも日野は何度も水分にきて共に戦おうと言っていたようだ。

なぜ、力にならぬと問い詰める正季に正成は答える。泥足で踏み込まれれば拭けばよい、古市の出入りを邪魔されれば他で商いをすればよい、刀を抜けば相手も抜く。それで畑が豊作になるわけではない。無益だと言い切る。正季の文句を遮るように外ではゴロゴロと雷が鳴りだした。

正成は石へ伝言をと言う。鎌倉で日野と会い、とにかく死んではだめだ生きて帰られよ。世の中ゆっくり変わる。良い世の中を見るには長く生きねばならぬと。刀は預かるが必ず返すと言ったところで、雨が降りそうだと外から歓喜があがる。正成が村人と雨乞いに出かけた後、屋敷では正季が石へ日野救出の話を持ち掛けている。

鎌倉では流鏑馬が行われている。高氏は見事な腕前ですべての的を射抜く。闘犬場以来はじめて執権と顔をあわせる。執権が高氏の弓の腕前をほめると、そこに居た判官は、自分の腕前はまだまだだと言う。執権と判官はたわいない会話をする。非常に親密なようだ。

高氏が歩いていると、判官が呼び止める。赤橋家との結婚が近いと聞いていると言うが、高氏は決めたわけではないと答える。判官は藤夜叉の話をはじめる。高氏の子を身籠っていると言う。動揺をかくせない高氏。藤夜叉は会いたいと言っている、明日の夜屋敷へきてくだされと判官は続け、去っていった。

藤夜叉の事を思い出す高氏。近くにいた右馬介が高氏に声をかける。無言で立ち去ろうとする高氏に右馬介は判官は何をいったのかと尋ねる。藤夜叉に子がいる、明日会わせると言われたと高氏は答える。登子との事がある、会ってはならぬ、この件は任せてくれと右馬介は言う。

高氏は思案に暮れている。登子との事はどうしたらよい、北条家と一緒になる事をどうしたらよい、赤橋家とともに幕府を正すこともよい事だと思ってきている自分がいる。だが、それでよいのか。京の都でみた事を確かめたい、白拍子に会いたいと告げる。判官の鎌倉屋敷では藤夜叉が物悲しげに歌をうたっている。

5話「危うし足利家」

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高氏の父ちゃん母ちゃん生きた心地せんやろこの状況。守時や連署の助けがあって何とか難を乗り切ってよかった。

ところで、京の六波羅で捕らえられて解放されたのに、今度は幕府の侍所に捕らえられる事ってあるんやね。両方幕府の運営やと思ってたけど、ちょっとずつ役割が違うんかな?また調べてみよう。あと、六波羅探題跡地が六波羅蜜寺にあるん知らなかった。今度行ってみよかな。

それにしても長崎殿はいけすかぬやつよの~。執権も面倒ごとは御免だしそら鎌倉幕府も終わるわね。

何を考えているかわからん佐々木判官、陣内さんの豪快な演技見てて楽しいね。この男はさて今後どうなるんだろ。真田さん牢屋に閉じ込められてヒゲ伸びてきてんのもいい。

人物整理

足利高氏

日野との関係を疑われ今度は侍所の牢獄へ閉じ込められている。

足利貞氏

息子解放の為に今日も今日とて奔走する。

日野俊基

京で捕らえられ、審問の為、鎌倉へ運ばれてきた。

赤橋守時

登子の兄。高氏を信じ救いの手を差し出す。

佐々木道誉(判官)

切り捨てたり、助けたり、まったく考えがわからん。

長崎円喜内管領

身から出た錆でなかなかうまく事が運ばずイライラ。

金沢貞顕連署

円喜には頭が上がらぬが、何とか手をうってくれる。

北条高時

ぜーんぶ面倒くさい!円喜におまかせ。

足利直義

お兄ちゃ~~~~~ん。

藤夜叉

高氏が好き。

安藤季久、安藤季長

奥州津軽の豪族。この二人は衝突を繰り返している。事の発端は、幕府の不正にありそうだ。

新田義貞

何やら企てをし、安藤十郎とともに足利屋敷を訪れる。

ストーリー整理

幕府が高氏を捕らえた事で、北条家が足利家へ宣戦布告をしたとの見方が高まり、鎌倉には緊張が走っている。

金沢貞顕亭では貞氏が連署へ詰め寄る。連署は、すべては長崎円喜とその息子が独断で行った事であり皆困っていると訳を述べる。自分をこの地位につけたのも円喜の為逆らえぬが、何とか手だてはうってみると言う。

貞氏は幕府に赴き、執権に会いに来た。高時は、久しぶりにそちの顔を見た家で何をしていたのかと問う。貞氏は幕府の繁栄の為、日々努めていると答える。父貞時も同じ事を申していた、執権は万民の幸せに尽くせと言っていたと高時はいう。貞氏は高氏の事を伝えるが、それは円喜に任せているのでそちらへ問えと言われる。貞氏は執権に対応願いたいと引かない。貞氏は廊下で長崎とばったり会う。長崎はすべてを知っているように貞氏をあしらう。

貞氏は足利屋敷に戻る。直義は相変わらず一人大騒ぎをしている。貞氏は、長崎に頭をさげればよかったかもしれないが出来なかったと清子に告げる。今までできた事ができない。貞氏もこの状況に葛藤しているのだ。足利屋敷に連署がやってきた。

連署の計らいで侍所の高氏と貞氏の面会が叶った。父は優しい言葉でかわりはないかと話しかける。そして、弟が騒いでいる事、母も心配している事など談笑する。もうすぐこの一件の行く末が決まる、どのような裁きになるのか見届けたいと高氏は父に近寄り小声で告げる。そして、合点がいかぬ時は、鎌倉と一戦交える覚悟だと言う。貞氏はお前を見殺しにはせんとだけ告げて去る。

時を同じくし、花夜叉一座と日野が鎌倉へやってきた。一座がご飯を囲んでいる。藤夜叉は日野はどうなるのかと皆に尋ねる。これから審問され、身の潔白が証明できなければ裁きを受けると答える。ただ、この裏には足利つぶしがあるのではとも言う。高氏の話題が出て藤夜叉は吐き気を催部屋を出る。花夜叉はもしやと藤夜叉の異変に気づく。

幕府・審問の間にて、高氏はまた日野とのかかわりなど問われているが、すべて否定している。幕府側より証人がいると告げられ、佐々木判官が召喚される。佐々木は北条の命で京の動きを見張っていたという。ここにおるのがその一件で見たという足利かと尋ねられたが、佐々木は違うと言い張る。長崎は一杯食わされた。

赤橋守時が高氏の牢にやってきた。何を考え何をしようとしていたか聞きたい、妹の登子も東国で生まれ育った高氏がこのような事を企てたなど信じがたいと言っていたと伝える。東国で生まれ育った武士がわずか数日京をみただけで東国に弓を引くことはあることだと。鎌倉は腐り果てている、足利も腐りかけていると思うていると、高氏は守時をまっすぐ見据え答える。守時もその意見に同意する。

守時は赤橋亭に戻る。妹登子が出迎える。高氏は無実だったが、長崎は切るつもりだと話す。守時は登子に高氏の事をどう思うか尋ねる。正直な方、死なすには惜しい方、嫁に行けと言われれば言ってもよいと答える。守時は高氏を救う事を心に決める。奥州にて戦が始まったと守時が政所に呼ばれる。

この頃、奥州津軽で安藤季長と季久がたびたび衝突していた。これを鎮める為に出した幕府軍だが、季長と戦闘状態に陥ってしまった。

鎌倉・足利屋敷に新田義貞と安藤十郎という者が訪ねてくる。十郎は季長の身内だそうだ。十郎は貞氏に伝言を差し出し、幕府をよく思っていない者たちとともに奥州と鎌倉より幕府を挟み撃ちをしたいと申し出る。

この日、京から幕府に帝の遣いが到着した。釈明の手紙だ。この手紙を読むか読まぬか議論がされている。そして、足利家について守時と長崎が討論している。守時は高氏を捕らえたならば、奥州の安藤も捕らえるべしと言う。この事の発端は幕府関係者の不正からだと告げる。長崎はうろたえている。連署も足利家を味方とすべしと応戦する。

会はお開きとなる。長崎は、息子を責め立てる。北条家は傾いていると怒り心頭だ。

翌朝、連署が足利屋敷を訪れる。高氏は無罪放免だと告げにきたのだ。貞氏は空を仰ぎほっとしている。高氏は無事牢屋から出され喜びを爆発させる。

4話「帝 ご謀反」

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正しい道を進もうとする高氏の信念には感服ですが、周りの大人たちのあたふたぶりを見て、親の心子知らずというのか。でも、悪いことをしているわけではないのでただただ行動派の高氏に手をやきっぱなしというか。皆さまご心労が絶えませんね。右馬介さん特に毎日命が縮みっぱなしですね。直義は相変わらずお兄ちゃ〜〜〜んでした。

石の心知らずの藤夜叉は罪な娘だね。藤夜叉と石と高氏の勝ち目のない三角関係には目を光らせていきます。

あと、うにうに動くお馬ちゃんの上で真剣な話をする真田さんが可愛いかったな。

後醍醐天皇って学校で習ったけど、後継争い色々大変だったんですね。全く覚えてないや。そこに幕府がかかわってくる事で、話がさらにややこしくなっていく。学びなおし楽しい。

人物整理

足利高氏

日野との繋がりを疑われ大騒動へと発展する。日野の肩を持つ。

一色右馬之助

今回はまじで命が縮んだ。最後まで縮みっぱなし。

足利貞氏

息子の事でまた奔走。父親は大変だ。

上杉憲房

甥っ子の火消しに六波羅へ出向く。

日野俊基

ついに六波羅に捕まってしまった。

後醍醐天皇

北条から政権を取り戻したい。今回の失敗をどうリカバリーしようか。

佐々木道誉(判官)

何やら怪しげな動き。近江へ逃げる。

長崎円喜内管領

こちらも何やら怪しげな動き。高氏を捕らえる。

連署

貞氏の方をもつ。

北条高時

面倒ごとが大嫌い。

足利直義

お兄ちゃ~~~~ん。

藤夜叉

高氏への叶わぬ恋。

藤夜叉への叶わぬ恋。日野の命を受ける。

 

ストーリー整理

1318年後醍醐天皇即位。彼は武家政治から実権を朝廷に取り戻したいようだ。後嵯峨天皇が後継を決めず亡くなったため、持明院統大覚寺統天皇の座の争っている。そこに干渉してきたのが幕府。後醍醐天皇はこの事をよく思っておらず彼は討幕を目論んでいる。

1324年(元亨4年)9月19日土岐頼兼らの幕府転覆の計が露見し、六波羅が兵を総動員した正中の変がおこる。鎌倉幕府にも激震が走る。

その騒動の最中、高氏はなんとか上杉家へ戻る。馬之助は安堵と怒りで崩れ落ちる。高氏は右馬介と日野について2、3意見を交わす。高氏は「日野殿におうて、この京を見て少しわかった。世の中は動くぞ。動いておるのじゃ。」と馬之介に言うが、日野との密会を六波羅に密告した者がおり、その火消しに上杉が奔走している事、そして若殿も六波羅へ召喚されるであろう事を告げる。

その頃、佐々木道誉はいち早く近江の屋敷へ逃げ出していた。花夜叉に向かって「わしは新しいもの好きじゃ」と楽しげに話をしている。花夜叉は日野に恋文を書いているが、道誉はよせと言う。すかさず、日野様ももはや新しくないのかと彼女は口を挟む。道誉は、そうではないが目立ちすぎだと吐き捨てる。花夜叉は、道誉は元々鎌倉と縁が深い故、日野や土岐それに高氏を鎌倉に引き渡したのだろうと続ける。それを聞いた道誉はおまえは面白い白拍子よのと答える。

藤夜叉は高氏へ文を書いてる。そこへやってきた石は、先程立ち聞きしていた道誉の言葉を投げかける。藤夜叉は怒ったように手をあげる。石は、あの夜以来顔には足利高氏様と書いてあるぞと言う。藤夜叉は高氏とのあの一夜の思い出を語るが、それ以上何もないのだと儚げに笑う。石はほっとしている。

花夜叉から石へ日野の元へ行くようにと伝言が入る。

京の六波羅探題にて、高氏は日野の件で尋問を受けている。高氏は全てを否定する。右馬介は貞氏への早馬で伝言をつかわす。貞氏は屋敷にてその状況を知る。

貞氏は幕府へ赴くき長崎に会う。長崎は誰も高氏が謀反に加わったなど思わんだろうと言う。連署もそのようなことはないだろうと口添える。貞氏は執権にもよろしくお伝え下さいと二方に言うのがやっとだ。連署は貞氏の肩を持つが、日野の後ろは帝なれぞと伝える。

京・内裏では幕府へのら釈明内容を思案しているが、立場を悪くする詫び状などは送りとうないと後醍醐天皇は言う。公家たちは日野を切るべしと伝える。全員を退出させ育ての親である吉田定房に意見を聞くが、今は時至らずだと言う。

京では石が日野の所に着く。糸の紡ぎ方などたわいのない話をしている。本題に入り、石はこれから安全な場所にお連れすると言うが、日野は逃げるつもりはないと断る。誰かが北条を倒し良い世の中が来ると言う。石はその良い世の中とは何かと尋ねる。米を作るものが家を焼かれず、母親が殺されず、穏やかに暮らせる世の事だと答える。何か自分にできることはないかと石は言う。河内の楠木正成に渡してくれと石に小太刀を預けると、日野は六波羅に連れていかれてしまった。

六波羅探題にいる高氏はようやく解放されたようだ。玄関先で捕らえられた日野を目撃する。右馬助と共に急ぎ鎌倉へ馬を走らせる。10月半ば2ヶ月ぶりに藤沢付近に戻るが、高氏はこのまま鎌倉で奉公は出来ぬと言う。京見た様々事が彼を大きく変え、そして藤夜叉が忘れられぬと右馬介に大声で叫ぶ。

向かいから馬がやってきた。鎌倉の命により遣わされた侍所だと言い、高氏を捕らえた。

鎌倉にて長崎は執権高時に京での出来事を報告している。高時は、朝廷の取り調べはよいが謀反が証明された時にはどうするのかと尋ねる。軍を送り帝の退位を迫ると長崎側は言うが、高時は納得いかぬようだ。こちらが軍を出すと金がかかり、退位後には後継を選ばなくてはならぬ。面倒は嫌だという。面倒は円喜が考えると言う。その面倒の上に高氏まで捕らえ面倒が過ぎるのではと高時は告げるが、この裁きで足利が何を企んでいるかわかるかも知れぬと円喜はしたり顔だ。

鎌倉・足利邸では、直義が血相を変えて父貞氏にかけよる。高氏が侍所に捕らえられたという知らせだ。貞氏は即座に馬で侍所へ向かう。高氏は牢屋で怒りに震えていた。

3話「風雲児」

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きゃー、赤井さん出てるんですね。熱血漢を演じる赤井さん好き。(高校教師見てそう思った)清水寺に八坂に京の町はかなり親近感がわくわ。醍醐寺と伏見の間結構遠いけど、馬で行くとどれくらいかかるんだろう。

3話から既にすごく大きく物語が動くワクワク感があっていいですね。日野さんが何者かもわかってきたし、楠木、佐々木と血気盛んな人物も出てくるし。

あと、藤夜叉は石の事はただの幼馴染なんですかね。高氏の手を取って、私も手を取りたいわと思いながら見てました。色恋沙汰も今後どうなるのかとっても楽しみ。あと真田さんの着物の袖口の紐を口で引いてるのシーン好き。

榎木孝明さんのインタビューに真田さんとのお話がありました。興奮して止まらぬ馬を鎮める為、カットかかってもずっと2人で走っていたみたいです。真田さんは日本でも指折りの馬乗りだとか。

NHKアーカイブス

榎木孝明 | NHK人物録 | NHKアーカイブス

登場人物整理

足利高氏

貞氏より家を追い出されたが、これは好機と意気揚々と京の町へでてきた。日野に出会った事から運命が動き出す。

一色右馬介

高氏の側近。高氏の世話に手をやきながらも、何だかんだ京の町を満喫中。

上杉憲房

母清子の兄。高氏を預かる。退屈な男。

後醍醐天皇

民を一番に思う。北条をよく思っていない。

四乗隆資、文観、花山院師姸賢

後醍醐天皇の遣い。

日野俊基

後醍醐天皇の遣い。北条を打ち負かしたいと高氏に告げる。

楠木正季

楠木正成の舎弟、熱血漢。北条勢にも負けず、騒動があっても一喝してその場をおさめる。

佐々木判官

立花を嗜み、豪快な人物。日野側。

花夜叉

一座を取り仕切る座長。佐々木が面倒をみているようだ。

藤夜叉

花夜叉のもとで舞を踊る。高氏の面倒を見よと言われ夜をともにする。

ストーリー整理

1324年(元享4年)9月、高氏は京へ入り母の兄である上杉憲房の元へ身を寄せた。茶菓子はうまいが伯父の話は退屈でおもしろうない。早速、今日も右馬介と町へ繰り出すが、連れて歩かれるのは寺社巡りばかり。高氏はそんなことに興味はない。

町を歩いていると女を乗せた御所車が通りかかる。右馬介は行列の少年としょうもないやりとりをしているが、高氏は近くの人だかりが気になった。聞くと、米の不作と価格上昇への対策として、帝が商人から米を買い上げ一定の価格で民へ分けていると言う。幕府は六波羅探題に銘じて、帝が対応されることではないと進言したがこれは民の為と聞く耳を持たれなかった。右馬介はこのままでは北条家も後が無いなと続けた。この話から、高氏は帝の人となりを知った気がした。

右馬介は京の町歩きが楽しいようだ。そんな話よりも高氏を次の場所へと誘おうとしている。高氏がついていこうとしたとき、一人の山伏と肩がぶつかる。その瞬間、鎌倉で手当てをしてもらった彼の記憶が蘇る。ふと我に返ると右馬介がいない。はぐれたようだ。

まぁそれも丁度よいと高氏は再度あの山伏との約束事を思い出し、単身醍醐寺を訪ねた。ここで待てと入口で言われたが、好奇心から庭を歩く。そこには白い着物を召した歌をかく男がいた。また別の3人の男がやって恭しく会話をしている。白の着物の男が放った扇子が高氏の方に飛んできて、見つかってしまった。3人の男は帝の御前だと言い、高氏はその白い着物の人物が誰を知る。

3人の男性が詰め寄り高氏を問いただす。すると後方から、その者は何も問題ないと声がする。見たことのある男はかの山伏だった。日野俊基と名乗る彼は、山伏の姿はわけあっての事と話し、高氏を歓迎する。

寺に戻り日野は今ここにいる理由と「栓無きはなし」について語りだす。なんでも、長年民を蔑ろにしてきた鎌倉しいては北条家(高時、円喜)を討ちたいと言う。彼は、高氏にどう思うかと静かに尋ねる。また、公家のみでは力が弱く軍勢がいる為、鎌倉では新田にも会ったが新田や諸国のもの、また楠木も、足利が動かねば始まらないと告げられたと伝えた。楠木正成とは、河内の畿内随一の武士との事だ。立場は理解しているが、ここは京、夢語りだと思うて一度会って欲しいと依頼される。

右馬介は上杉の屋敷へ戻ると六波羅の者と鉢合わせた。そこに顔なじみがいて、彼に何をしていると聞くとこれから日野俊基を捕らえるという。

日野と高氏は、移動中淀ノ津(現:伏見区)に寄る。北条の身内で悪名高い金貸しが日野へ口利きをしてくれとたかってくる。歩いていると目の前で北条勢と楠木勢との小競り合いが始まる。楠木正季が現れその場を一喝する。楠木は日野へ六波羅の動きについて注意を促す。右馬介も現れ高氏にこの場は危険と連れ出そうとするが、高氏は不審な山伏を発見すると、着物の袖口をしばり急いで馬で駆け出した。六波羅の者に囲まれた日野を発見し救い出し難を逃れる。一連の流れより高氏は討幕の機運が高まっている事を肌で感じる。

その夜、2人は佐々木判官の屋敷を訪れる。花を生ける(立花)彼に会う、なんとも話方が豪快な人物だ。鎌倉の恩寵は受けたが、北条を倒す時だと言う。日野は先ほどの一件より、一度席を外すと出ていく。高氏も続こうとするが、佐々木に今は危険と止められる。

舞台が開き花夜叉一座の舞がはじまる。佐々木が面倒をみている一座だそうだ。高氏に真意を聞きたいと言うが、高氏は言葉を濁す。藤夜叉の歌と舞がはじまる。高氏はその姿に目を奪われる。舞が終わり、高氏の前へやってくる。二人は簡単な会話をかわし、高氏は藤夜叉へ自分の盃を渡す。芸事はまだ続く。

夜中、宴が終わり、高氏が酔いからさめると枕元に藤夜叉が座っていた。彼女は、もう門は締まり外へは出られないため今宵はお守り致すよう仰せ使っていると言う。灯が消え、二人は暗闇に沈む。

高氏が朝目を覚ます。二日酔いだ。まだ温かな桜色の召し物が残っているが、彼女はいない。それだけではなく、屋敷中には誰もいないようだ。高氏が外を見渡すと屋敷の外では六波羅の大群がうごめいていた。公家を中心とした討伐の動きが発覚した正中の変である。

2話「芽生え」

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もうここから真田さん一色ですからね。楽しみしか無いです。

前回、登子と出会い一目惚れ状態の高氏が緊張しまくりなのと、母に嫁はとらん!と言ったけど…ってなってるのとっても可愛い。父親と喧嘩をしたけど、誰に何を言われようとも鎌倉を出れるワクワク感が上回っている高氏を見るとどんな人物だったのかが見えてきてとても良い回でした。

しかし、旅に出たはよいものの、足利が民から憎まれている事を実感する高氏、切ない瞬間だった。そんな事もあったけど、相変わらず有能な右馬介と共にいざ京へ参らん。

弟直義はお家で泣いてないやろかと心配。あとあの山伏は何者なのか、新田義貞との関係は?とこれからが気になるところだ。

登場人物整理

足利貞氏

内管領長崎の騒動から、これは良い機会と高氏を鎌倉から出す。父は一枚上手。

上杉清子

高氏の事を心配するが、京への手配は手伝ってくれた。可愛い子には旅をさせよ精神。

足利高氏

なんやかんやで鎌倉から出る口実ができてワクワクがおさまらない。道すがら出会った旅一座との一件で、弓の名手である事が判明。赤橋登子の事が気になる。

足利直義

お兄ちゃん直義を置いてかないでって家で泣いてると思う。ブラコンのTHE弟なので。

一色右馬介

好奇心旺盛すぎる高氏に手を焼きながらも、ぬかりなく身の回りの世話をしてくれる超スーパー有能側近。

長崎円喜

北条本家の家臣内管領。執権、連署(副執権)と並ぶ実力者。高氏の一件で足利貞氏を呼びつけ謝罪させる。足利家をねじ伏せてやりたい。

赤橋登子

高氏にもう一度古今和歌集六帖を貸してあげる。きっと登子も高氏を気になってる。北条血筋の良家、令嬢。

青年になった石は旅一座の弓矢を追いかけて取るという芸をしている。

藤夜叉

石の幼馴染。同じく親を亡くして、一座に拾われる。

日野俊基

怪我をした高氏を介抱し、京へと誘う。謎の山伏。

新田義貞

なぜか町のはずれで山伏と会っていた。

ストーリー整理

鎌倉幕府は将軍に力はなく、執権、連署内管領の三人での権力闘争となっていた。

足利の屋敷では、弟直義が闘犬の一件を知り激怒している。右馬介に詰め寄るが、母よりもう済んだ事なのだから鎮まりなさいと言われる。

赤橋の屋敷では高氏が登子に古今和歌集を返そうとしているが、出かけ際とは打って変わって何やら緊張した面持ちだ。古今和歌集の歌について登子は意見を求めるが、高氏は正直に読んでいないと伝え、もう一度本を貸してほしいとお願いする。帰り際、母に告げた北条家の者を嫁は取らぬと言い放った事を思い出しながら、馬を走らせ家路につく。

次の日、将軍御座所で奉公していると同僚に闘犬での事を世渡り上手だと言われるが、返事はせぬ。

屋敷への帰り道、念仏を唱える僧侶一行に出くわす。長崎のご一行と鉢合わせし、送料一行を襲う。最初こそ耐えたが、正義感から高氏もその場に加わる。長崎が見え、相手が高氏とわかるとその場を収めて去っていった。

怪我をした高氏を同じくその場に居た山伏が手当をする。高氏が、この状況を幼少期の御神体の木切の話と一緒だと不満を言うと、では京へ来てみないかと誘いを受ける。山伏より、京へ参る際は醍醐寺を訪ねよと書き置きをもらう。

山伏はその後、日野俊基と名乗り新田義貞と会っていた。

屋敷に戻ると、すでにこの一件に火がついており父が事態の収拾をしていた。高氏のことだ事情はあるとは思うが母は父に謝れと言う。

こちらの落ち度などなく、父の行動に怒り心頭の高氏は母を振り切り父の元へ向かう。父に事のいきさつ、こんな鎌倉にはいとうないと口早に伝えると、父より明日にでも出て行けと告げられた。

その夜、縁側で高氏は古今和歌集を片手に考え事をしている。弟の直義が来て、謝るなら今ではないかと言うが、そんな心配をよそに高氏は良い機会とばかりに鎌倉を出る決心をする。

翌日貞氏は長崎に息子を鎌倉から出し、伊勢へ向かわせると報告する。長崎は思惑とははずれたと訝しげだ。まだまだ貞氏が一枚上手という事か。

高氏一行は馬に乗り伊勢へ向かう。右馬介は、なにも伊勢へ参らぬとも三河で身を休めほとぼりが冷めたら鎌倉へ戻りましょうと提案するが、高氏の耳には全く届かない。伊勢へ行ったあとは、京へ行くとまで言う。

道中、旅一座と出会う。矢を追う芸をする石に弓を渡され、高氏は受け取る。弓をひき矢を放つとみるみる飛距離をとばし、とうとう石は追いつけなかった。悔しいので、もう一度と食い下がるが高氏は応じない。腰に据えた刀の紋から憎き足利家と知る。手に持っていた弓で高氏を狙うがはずれ、右馬介の登場で石は逃げ去る。この事で、高氏は足利が多くの民達から憎まれているのだと実感する。

石は宿に戻り幼馴染の藤夜叉に足利家が憎い、武士が憎い全て滅ぶ戦いが起こればよいとこぼす。

1324年、高氏一行は伊勢を経て京へ辿り着く。高氏は期待で胸いっぱいだ。